諭旨解雇になると転職に不利?

諭旨解雇とは?

諭旨解雇とはどのような解雇なのでしょうか?諭旨解雇の諭旨は、解雇の理由や要点を告げるという意味になります。

その為、諭旨解雇は、単なる解雇ではなく、企業側が解雇をする理由を伝え、従業員と話し合うことによって、企業側と従業員の双方が納得した状況で、従業員の方に企業側の希望である解雇を受け入れてもらうといった処分になります。

この諭旨解雇は、懲戒処分のカテゴリーに属しますが、懲戒解雇よりも一つ軽い処分となっております。

もちろん解雇が取りやめになるほどの甘さはありませんが、会社ではこれ以上雇う事はできませんが、せめて今後の転職活動で不利益にならないようにという会社の恩情措置として扱われることが多い処分になります。

また、諭旨解雇を宣言する企業側も諭旨解雇を伝えた従業員の方に弁護士を通して訴えられないようにしなければいけませんので、気を使う作業になります。

最近では、バブルの頃と比べて情報が簡単に手に入るようになりました。

例えば「諭旨解雇 弁護士」であったり、「諭旨解雇 無効」などのキーワードでスマートフォンやパソコンから検索すれば、いくらでも事例やお役立ち情報が溢れております。

その為、企業側も不利益にならないように必死なのです。

諭旨解雇になる条件

諭旨解雇は、懲戒解雇の次に厳しい解雇になります。

懲戒解雇ほど厳しくはありませんが、懲戒解雇も諭旨解雇も退職するということには変わりませんので、解雇の中でも厳しいカテゴリーに入ってきます。

諭旨解雇になる原因として挙げられるのが、横領や業務上での不正行為、会社の命令を拒否などの理由です。

特に横領や業務上での不正行為などは、非常に厳しい処分になりえます。

特に諭旨解雇の原因として多いのが、経理の方などが、偽装した情報を元に会社のお金を着服したり、販売や製造している商品や会社の備品を横領、社外秘の情報を流出させるなど、会社の内外で著しく信頼を損ねる行為などが諭旨解雇の理由に挙げられます。

また、最近ではSNSなどで会社のイメージを損ねてしまったり、情報を流出するなどの行為で諭旨解雇になる方が増えております。

また、このほかにも長期の無断欠席であったり、経歴詐称、そしてパワハラやセクハラなどのハラスメント行為なども諭旨解雇される原因となっております。

ただしパワハラやセクハラなどの場合には、セクハラやパワハラの内容などによって、諭旨解雇まで至らないことも多く、初犯の場合には注意や指導程度であったり、重くても減給処分の事が多いようです。

諭旨解雇のデメリット

懲戒解雇よりも甘い処分だと言われがちな諭旨解雇は、決して軽い処分ではありません。

懲戒解雇と違い退職金が支給されますが、懲戒解雇と同じく労働契約を解除されてしまいますので、従業員の方は失職してしまう事には変わりがありません。

また、単なる失職ではなく諭旨解雇の場合には、再就職の時に不利になってしまう可能性が高くなっているのです。

諭旨解雇が理由で転職活動をする時には、履歴書などに退職理由を積極的に記載する必要はありません。

一身上の都合により退職といった内容で十分だと言われております。

面接の時などにも積極的に伝える必要はありませんが、偽証してしまうことは懲戒解雇の原因となりますので注意してください。

ただし諭旨解雇に至った理由が刑事罰などを受けた事だった場合には、履歴書の賞罰を記載する欄に賞罰内容を記載するようにしましょう。

ただし、履歴書の中には賞罰欄のない物も多くありますので、履歴書を提出する時には、賞罰欄のない履歴書を使うのがおすすめです。

もちろん離職票や退職証明書を提出するとバレてしまいますので、あまり隠していても効果は薄いかも知れません。

諭旨解雇に反論

諭旨解雇は、懲戒解雇よりも軽いとはいえ、経歴に大きな傷をつけてしまう事になります。

諭旨解雇によって、再就職もままならない状態になってしまうと、そもそもの生活が成り立たなくなってしまいます。

退職するにしても諭旨解雇ではなく、普通解雇にしてもらう努力はすべきです。

その為、こちらが何を言っても聞く耳を持ち合わせてもらえないような場合には、弁護士に依頼し、自分の代わりに話し合ってもらう必要があります。

ここで心配になってくるのが、諭旨解雇を一度は納得し退職手当を出してしまった方です。

退職手当を提出した後では、争っても無意味だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

そもそも諭旨解雇は、諭旨解雇を伝えられ退職するまでが範囲になりますので、問題なく争う事ができます。

また、退職金を貰ってしまっているという方も、問題なく争うことができます。

もし退職金の返金を求められたら、その段階で会社は再雇用をしなければいけないということになりますし、諭旨解雇を撤回させたとしたら、会社に行けていない日数分は、普通にお給料が出ることになりますので、お給料をもらっていた金額の範囲内でしたら、問題なく使用してしまって構わないのです。

諭旨解雇後の転職活動

諭旨解雇をされてしまったら、なるべく早く転職活動を再開しなければいけません。

諭旨解雇をされてしまった方は、当たり前ですが、一般の方よりも再就職の難易度が高くなっております。

特に刑が確定してしまっているような場合には、面接などで落とされやすくなっておりますので、簡単に再就職できると思わないようにしましょう。

また、中途採用を採用する際に、前職調査や素行調査などを行っている企業への再就職は難しいと言えます。

前職調査や素行調査などを行わないとしても、転職先の企業が、以前の会社に退職証明書を請求されてしまった場合には、間違いなくバレてしまいます。

ただし一般的な企業の場合には、そこまでしないことが大半です。履歴書などには自己都合退職のような書き方をすることができますので、会社都合退職や一身上の都合により退職などと記入すれば問題ありません。

もちろん面接の時などに質問されることがあると思いますが、きちんと諭旨解雇されてしまった理由を、しっかりとした意見として伝えられるということが重要なポイントになってきます。

諭旨解雇する場合

企業が働いてくれている従業員に諭旨解雇をする場合には、どのような手順が必要になるのでしょうか?企業が最初に行わなければいけない事は、諭旨解雇をするための証拠の収集です。

例えば、諭旨解雇をする理由がセクハラやパワハラであった場合には、実際に相談に訪れた被害者だけでなく、その場にいる従業員の方から実際にセクハラやパワハラがあったのかを確認しなければ行けません。

もし被害者がボイスレコーダーなどで証拠を集めていた場合には、ボイスレコーダーの内容をコピーし、内容を精査しなければいけません。

横領など業務上での不正行為などの場合にも同様で、どのような不正行為が行われていて、どれくらいの金額が横領されているのかをしっかりと確認した上で証拠を集めなければいけません。

証拠が集まったら解雇する人に諭旨解雇する旨を伝えます。

諭旨解雇をする時には、しっかりと手順を踏んで行わないと、逆に訴えられる可能性がありますので十分に注意し、慎重な行動が求められます。

例えば、被害者と加害者の意見が割れていて、被害者の意見を鵜呑みにし加害者の方を処分してしまった後に、無罪や内容が違う事が明らかになってしまった時には、諭旨解雇した方に訴えられてしまう可能性がありますので、十分に注意して判断することが重要になります。

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