うつ病で退職する前に確認すべきポイントとは

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理不尽な退職理由

バブルの時代には、終身雇用制度がまだ生きておりましたので、従業員の方は、死ぬまで骨をうずめる決意で仕事に取り組んでおりました。企業もそういった従業員の方の頑張りに応えるように、年齢ごとにお給料をアップさせていき、定年退職後にはまとまった退職金を支払っておりました。

しかし、バブルが崩壊して以降は、お給料も上がらず、退職金もなく、経営が上手くいかなくなるとすぐに人材整理をし、クビにするような会社が増えて来てしまったせいで、愛社精神をもって働きたいという方の数が激減しております。その為、離職率は増加傾向にあり、特に20代前半の方の離職率は20パーセントから30パーセントと高い水準を維持し続けております。

離職する理由は、お給料が少ないといった理由や、残業や休日出勤など労働環境や待遇などが多くありますが、職場の人間関係に苦労して退職するという方も少なくなく、日本社会の大きな問題となっております。

特に最近増えてきてしまっているのが、セクハラやパワハラなどのハラスメント関係の問題です。セクハラやパワハラは、ターゲットになりやすいタイプなどはありますが、現在では、いつ自分が被害に遭うのかわからない状況になっております。パワハラやセクハラの被害に遭ってしまった方は、体調を崩してしまい鬱病になってしまい退職してしまう傾向があり、その後の人生において大きなデメリットとなってしまいます。

鬱病とは

鬱病患者の数は年々増加傾向にあります。日本人の16人に1人は生涯一度は鬱病を経験している計算になるほど鬱病は日本社会に深く食い込んでしまっています。16人に1人ですと、中小企業でも1人から2人程度は鬱病を発症していることになりますので、とても身近な病気であることは間違いありません。しかし、ここまで身近な病気であるのにも関わらず、鬱病の事を詳しく知らない方が大半を占めております。そもそも鬱病とは、どのような病気なのでしょうか?

鬱病は、100パーセント解明されている病気ではありません。毎年のように新しい研究結果が現れる現在究明中の病気になっております。ただ確かなことは、脳の働きに何かしらの問題が起きている状態である事と、気合で治るものではないということが分かっております。その為、一昔前の鬱病は怠け者がなる病気という考え方や、鬱病は気合で治るといった考え方は、全くのデタラメであることが研究結果から分かってきております。

また、鬱病は精神的な異常が現れるだけでなく、肉体にも大きなダメージとして現れることが分かっております。症状なども人によって現れ方が異なっており、重症化してしまう人もいれば、そうでない人もいるなどとするために、自分の鬱病の症状に合わせた治療が必要となっております。

鬱病の主な症状

鬱病の症状は、精神的な物と肉体的な物の2種類があります。精神的な症状は、気分が落ち込みやすくなる。朝に抑うつな気分が強く表れる。集中力が低下し、仕事でミスが多くなる。判断力が著しく落ちる。楽しい気持ちになることができない。全てが面倒に感じてしまう。お風呂に入りたくなくなってしまう。身だしなみに気を使わなくなる。以前は夢中になっていた趣味などに興味が無くなるなどです。

肉体的な症状は、眠れずに常に睡眠不足の状態が続く。食欲がなくなってしまう。体重の急激な減少。頭痛。手のしびれ。肩こり。腰痛。常に倦怠感がある。生理不順。勃起しにくくなる。背中の痛み。便秘。動機や息切れがしやすくなる。尋常じゃない量の汗をかく。キリキリとした鋭い腹痛、常に息苦しさがあるなどの症状が現れます。

鬱病の症状の多くが、単に疲れているだけだと思えるような物であったり、鬱病以外にも同じような症状が現れてしまうために、早い段階で鬱病だと判断することが難しいという特徴があります。しかしながら、鬱病はなるべく早く見つけて、早く治療をすることによって、完治する可能性が大いに高まる病気になります。治療が遅れれば遅れるほど、完治しにくくなり、社会復帰出来にくくなってしまうといった特徴のある病気なのです。

鬱病の原因

鬱病の原因は完全に解明されたわけではありませんが、鬱病を発症した多くの方のデータから推測すると、脳の中で頻繁に動いている神経の伝達物質が、何らかの理由で悪くなる事に、睡眠不足や栄養バランスの偏った食生活、日常のストレスや交通事故や椎間板ヘルニアなどの怪我や病気、引っ越しや失恋、親しい人との死別、就職や転職などの環境の変化など色々な要因が重なって発症するのではないかと言われております。特にストレスと睡眠不足などは鬱病の発症に大きく関わっている可能性があると言われております。

日本国内で最近増えてきてしまっているのが、パワハラやセクハラなどの精神的な被害に、サービス残業や休日出勤などで睡眠時間が取れない方などが鬱病を発症するケースです。もちろんパワハラやセクハラだけであったり、ブラック企業特有の長時間拘束などでも鬱病を発症するのですが、この二つの要素が合わさった環境で働き続けている場合には、鬱病を発症する確率が大きくアップしてしまうのです。鬱病を発症しやすい環境であるのと合わせて、鬱病を発症した時に治療しにくい状況であるような特徴がある為に、ブラック企業で働いている方の鬱病発症率は高くなっていると言われております。

鬱病の解決策

鬱病になってしまったら、正しいアプローチ方法を選ぶ、なるべく早く治療に取り組む必要があります。もちろんお仕事が休めないようなケースもあるとは思いますが、鬱病の治療が遅れてしまうと、鬱病が重症化してしまい、社会復帰ができなくなってしまう可能性があるので早めに治療を開始するようにしましょう。

鬱病の治療で重要な事は、睡眠時間の確保など規則正しい生活を送る事、栄養バランスのとれた食生活、ラジオ体操やウォーキングなど定期的な運動など規則正しく健康的な日々を送ることに加え、薬物投与などの専門家の正しい治療が必要になります。他にも病院では、認知行動療法や対人関係療法などの精神療法も有効な手段になります。

また、原因が上司のパワハラやセクハラであったり、ブラック企業の就業スタイルなどの場合には、一刻も早くその会社から退職し、休める環境を作ることが重要になります。何度も言いますが、鬱病という病気は、はっきりと解明していない病気です。その為、薬を飲めばすぐに解決という病気ではありませんので、治療が遅ければ完治しない可能性のある恐ろしい病気なのです。退職するのは非常に勇気がいることになるとは思いますが、この先の長い人生を考えた時にベストな選択ができるようにしてください。

鬱病での退社

鬱病が原因で退職する場合には、鬱病になった原因をハッキリとさせておくようにしましょう。例えば、恋人や両親との死別であったり、ギャンブルなどの借金などが原因の場合には、勤めている会社に責任はありませんが、長時間労働やパワハラやセクハラなど鬱病の発症原因に会社が関わっているとしたら、しっかりと責任をとってもらわなければいけません。

まずは退職前に、専門医に相談し治療方法を模索することが重要になります。担当医の見解を含め、就労支援機関に相談してみてください。会社に原因があるような場合には、上司や人事担当者に配置転換の相談をしましょう。同じ会社でも労働環境が変わることで症状が改善する可能性があります。それでも改善されない場合には、時短勤務や休職を検討しましょう。また、明らかに会社側に非があるような場合には、労災保険の申請をします。労災に認定されれば、治療費などの補償を受けることができるからです。

また、会社が前向きな提案を拒むようだったり、パワハラやセクハラをした加害者をかばうようなことをするようでしたら、弁護士に相談し間に入って話を進めてもらうようにしましょう。上司に退職の意思を伝え、退職までの日数を有休消化に当てます。これにより身体を休める環境を作り上げるのです。

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