セクハラをうけて会社を辞める前に起こすべき行動

近年の退職事由

新型コロナウイルスの影響によって、多くの方が職をなくしてしまいました。2020年の8月時点で50,000人の方が、会社をクビになってしまったり、会社が倒産してしまうなどの理由で職をなくしてしまっております。しかし、日本には新型コロナウイルス以前にも理不尽な理由で退職せざるを得ない方がたくさんいました。そういった方は、大っぴらに理由を公表しづらいということもあり、公表されていない人数を含めると新型コロナウイルスの50,000人よりもはるかに多い人数だと言われております。

理不尽な事で退職しなければいけない理由で多いのが、パワハラやセクハラなどのハラスメント系の事案です。パワハラは、社会的な立場が上であることを武器に立場が下の人をいじめるハラスメントです。単に暴力ということではなく、精神的に追い詰めるようなこともしますので、パワハラのターゲットになってしまった方は、非常に大変です。

パワハラやセクハラなどにあってしまい、精神的に疲弊してしまったために、仕事を続けられなくなってしまったという方が大勢いるのです。そういった方の大半が、何もせずに辞めていってしまいますので、ハラスメントをした加害者の方は、今までのうのうと会社に居座って、他の人にハラスメントをしているようなケースがあります。

セクハラの定義

セクハラとはセクシュアルハラスメント(sexual harassment)の略称です。パワハラと一部共通している部分がありますが、セクシュアルハラスメントは、主に性的な内容を含んでいるハラスメントになります。セクシュアルハラスメントは、主に立場の上の男性が、立場の下の女性にする性的なハラスメント行為という風に思われがちですが、最近では女性の社会進出の影響で、女性の上司が部下の男性や取引先の男性など立場の下の男性に性的なハラスメント行為をするようなケースも増えてきております。

セクシュアルハラスメントの定義となっているものは、職場内において、立場の強い人が立場の弱い方をターゲットにし、性的な言動をすることなどによって、働きにくくなるなどの不利益を被ってしまったり、性的な行動をすることにより、就業環境が害されるような状況が定義となります。

セクシュアルハラスメントの定義は、非常にあいまいです。その為、受けて側の受け取り方によってセクシュアルハラスメントに該当するケースと、セクシュアルハラスメントには該当しないケースがあります。特に加害者になってしまった方に悪気が無いようなケースも少なくなく、被害が広がりやすいといった特徴があります。

被害を受けやすい人

セクシュアルハラスメントの被害を受けやすい人には、ある共通点があります。最も多い共通点は、立場が弱いということです。セクシュアルハラスメント自体が職場での力関係が根強く関係していることから、新入社員であったり、派遣社員などの非正規雇用者がターゲットになりやすいと言われております。そういった立場の弱い方がターゲットになった場合には、強く言い返すことができなかったり、誰か他の人に相談するということが難しいために、我慢してしまい心や身体を壊してしまうのです。

また、大人しいというのも共通点のひとつになります。セクシュアルハラスメントでは、強い口調で言い返されたり、セクシュアルハラスメントをしている方よりも上の立場の人に告げ口されるなどができる方をターゲットにはしません。自分が安全な位置を確保した上でセクシュアルハラスメント行為に及びますので、性格が大人しい方がターゲットになりやすいといった特徴があります。他にも容姿が整っていたり、性的な魅力のあるスタイルをしている方などもセクシュアルハラスメントを受けやすい要因となります。また、服装が露出の少ない地味なファッションを好む方などもセクシュアルハラスメント被害に遭いやすい方の特長になっております。

対価型のセクハラ

セクシュアルハラスメントは大きく分けて対価型と環境型に分けることができます。対価型のセクシュアルハラスメントは、上司など社会的な立場の強い方が被害者の方に対して、被害者の方が嫌な思いを持つような性的な言動を発した際に、被害者の方が拒否や抵抗などの意思表示を行ったことに対して、社会的な立場を利用してお給料を減らしたり、地位を降格させたり、左遷させたり、解雇したりなど被害者の方にとって不利益な状況を強いるタイプのセクシュアルハラスメントです。周りにバレないように注意していたり、自分に非が無いように仕向けているために、周りにはわかりにくく被害が拡大しやすくなっております。

例えば、上司の方から卑猥な言動やボディタッチを受けた被害者の方が、上司に反論するなどの抵抗を見せたことに腹を立て、被害者の方に不利益になる配置変えを行ったりするケースや、上司の方がスキンシップの一環だと下ネタを日常的に発言していたことを、部下の方に注意されたことの腹いせに、部下の仕事を評価しなかったり、部下がチームの輪を乱しているなどの評価を下し、ボーナスやお給料の査定を下げるなども対価型のセクシュアルハラスメントになります。対価型のセクハラは、加害者側が無意識な部分もありますので、非常に被害者の多いケースとなっております。

環境型のセクハラ

環境型のセクシュアルハラスメントは、視覚型、発言型、身体接触型の三つに分けられます。視覚型のセクシュアルハラスメントは、被害者の方にスマートフォンで卑猥な画像を見せたり、メールやLINEで卑猥な画像を送りつけたり、職場に卑猥なポスターを張るなど視覚から受けるタイプのセクハラです。

発言型のセクシュアルハラスメントは、性的な冗談や下ネタを日常的に繰り返し発言したり、被害者の不利益になるような性的な噂を流したり、私生活を暴露したりすることで就業環境を不快にさせるタイプのセクハラになります。

身体接触型のセクシュアルハラスメントは、立場の強い方が立場の弱い方に対して、必要以上にボディタッチをすることで不快にさせるセクハラになります。一般的には胸やお尻を触るようなものが身体接触型のセクシュアルハラスメントだと思われているかも知れませんが、疲れているであろう部下の肩を揉んだり肩たたきをする行為であったり、握手、ハイタッチ、落ち込んでいる部下の頭を撫でたり、背中を叩いて励ますなどの行為も身体接触型のセクシュアルハラスメントに該当する可能性があります。

加害者的には軽いスキンシップだと思っていても、被害者が不快に思ってしまったのならセクシュアルハラスメントになってしまうのです。

被害にあったら

セクシュアルハラスメントにあったら、退職する前に色々とすることがあります。最初に行う事は、どこからセクハラにあたるのかを知る事と、加害者に対して嫌だとはっきりと発言することです。セクハラの被害に遭っている方は、自分だけがおかしいと思いがちです。正しい知識を持つことによって自信をもって否定することができます。また、しらを切られたときのために、ボイスレコーダーやスマホの録音アプリなどで加害者の発言を録音しておきましょう。それでも被害が収まらなかったり、余計にひどくなるようでしたら専門家に相談するようにします。

セクハラの被害が拡大しておりますので、色々と相談に乗ってくれる窓口がありますので利用しましょう。最終的に退社する場合にも、適切なアドバイスをしてくれますので頼りになります。また精神的なダメージを負った場合には、病院で診断書を貰うことも忘れないでください。証拠が集まったら弁護士に相談します。在籍中でしたら今後の働き方に影響するかもしれませんが、退職した後でしたら問題ありません。セクハラで訴えるような場合なら着手金は10万程度で受けてくれます。慰謝料は状況によって異なりますが、セクハラで退職してしまった場合には、100万円から500万円程度が相場となっておりますので、退職して職を失ってしまった場合には、ぜひ相談してみてください。

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