新卒1年目では失業保険受給できない?正しく知ろう「失業保険」

新卒で就職したものの、さまざまな事情から転職や退職を検討している人もいるのではないでしょうか。
「退職しても、失業保険がもらえるから、なんとか生活はできるのでは?」と考えている人もいるかもしれません。
ただ、失業保険を受給するためには、一定の条件を満たしている必要があります。
失業保険は、退職した人が全員もらえるものではないのです。
今回は、どのような条件を満たせば失業手当の受給資格があるのかを詳しく解説します。
目次
失業保険の受給条件
公的保険制度のひとつである失業保険は、失業した人が再就職するまでの間、安定した生活が送れるように支給されるものです。
失業保険を受給するためには、以下いずれかの条件を満たしている必要があります。
・離職前の2年間に、雇用保険に通算で12カ月以上加入していること(一般離職者)
・会社の倒産や解雇など、会社都合による離職者であること(特定理由離職者)
・病気やケガといった、やむを得ない事情による離職者であること(特定理由離職者)
新卒1年以内の退職は基本的に「一般離職者」扱い
一般離職者は、再就職を目指してハローワークなどで積極的に求職活動をしているのに、再就職先がまだ決まっていない状態であることが、受給条件となります。
たとえば「退職して語学の勉強のために海外に行く」「結婚してしばらくは家庭に入る」といった場合は、失業保険を受給することはできません。
失業保険を受給するために必要な資格は「離職前の2年間に、雇用保険に通算で12カ月以上加入していること」です。
つまり、新卒で就職して1年未満で退職した場合、雇用保険加入期間が1年を満たないため、失業保険が受給できないということになります。
さらに、1か月あたり11日以上勤務していないと、雇用保険加入期間として認められませんから、そのあたりもしっかりと確認しましょう。
一般離職者が失業保険を受給するまでのプロセス
自己都合対象をした一般離職者が、失業保険受給開始までにかかる期間は、最短でも2か月と7日ほどとなります。
1. 離職した会社から1週間から2週間ほどで離職票が届くので、それをハローワークに持参し、求職の申し込みを行う。
2. 7日間の待機期間を経て、雇用保険受給説明会に出席し、雇用保険受給資格者証を受け取る。
3. 失業認定を受けながら、求職活動を行う。失業認定とは、働く意思と能力がありながらも、仕事が決まっていない状態であることを認めてもらうことを指す。4週間に一度、設定されている失業認定日にハローワークへ行き、転職活動状況を申告することで認定を受けられる。
失業保険をもらうためには、受給条件を満たしていること、そしてさまざまな手続きを経る必要があるのです。
会社都合退職・病気理由退職なら「特定理由離職者」に
特定理由離職者は、会社の倒産や解雇など、会社都合による離職者であること、または病気やケガといった、やむを得ない事情による離職者であることのいずれかが認定条件となります。
新卒で勤務期間が1年未満であっても、特定理由離職である場合は、失業保険を手続きした後1週間程度で失業状態の認定を受けることができ、すぐに受給が開始できます。
失業保険受給中はアルバイトも注意が必要
一般離職者の場合、失業保険が受給される2か月の間は収入がゼロと言う状態になります。
アルバイトでもして、収入を増やしたいと考えるかもしれませんが、失業保険受給のためにはアルバイトをする際にも注意が必要です。
待機期間中の7日間のアルバイトはNG
待機期間中にアルバイトをしてしまうと、その日数分、待機期間が延長されます。
勤務時間は1日4時間以上
1日4時間以内のアルバイトの場合、ハローワークから「内職または手伝い」とみなされてしまい、失業手当が減額される可能性があります。
アルバイトをしたいなら、1日の勤務時間が4時間以上になるものを選ぶようにしてください。
アルバイトをした日は支給除外となる
1日4時間以上のアルバイトをした場合、その日は失業保険支給対象から外されます。
アルバイトをした日数分、基本手当支給が繰り越されるということです。
1週間の勤務時間は20時間以内
雇用保険加入の条件に「1週間の勤務時間が20時間以上」というものがあります。
つまり、1週間20時間以上アルバイトをすると、就職したとみなされてしまうケースもある、ということです。
アルバイトをするときには、週20時間を超えないようにシフトを調整してもらう必要があります。
ハローワークには失業認定日に必ず申告を
アルバイトをした場合、失業認定日に必ず申告しましょう。
申告し忘れると不正受給と判断されて、これまで受け取った失業保険を3倍の金額にして返納する必要があります。
退職する前に失業保険の仕組みを正しく理解しよう
新卒で就職して1年未満で離職した場合、失業保険の受給ができない可能性もあります。
離職するタイミングで受給資格が得られるか、得られないかが変わってくるということを知っておきましょう。
失業保険は、前職年収の約5~8割の支給となり、受給できる期間は最大でも5か月です。
失業保険というサポートを受けながら、その期間内に自分が納得できる転職先を見つけられるように活動していきましょう!