雇う企業も雇われる学生も必見!失業保険の基礎知識

アルバイトにも、雇用保険に加入させる必要はあるのでしょうか。

また、アルバイトをする学生側も「給料からマイナスされてしまうし、加入したくない」と考え、重要視しないケースも多いようです。

今回は、学生のアルバイトが失業保険に加入する必要性や、実際に申請する際の手続きについて紹介します。

雇用保険について知ろう

雇用保険とは、どのような保険で、どんな役割を果たしているのでしょうか。

雇用保険は、労働者が仕事を失くして収入がなくなった場合、生活の安定と再就職促進を図るために給付する保険のことです。

学生アルバイトでも雇用保険加入が必要なケースも

学生のアルバイトの場合、原則としては雇用保険に加入させる必要はありません。

ただし、これには例外が設けられていて、卒業後同一事業主での勤務が予定されていて、一般労働者同等の勤務が見込まれる場合は、雇用保険の加入対象となります。

簡単に言うと、内定を出した学生が、卒業前から企業で仕事をし、卒業後も就職することが決まっている場合は、雇用保険加入対象となる、ということです。

また、夜間や定時制、通信教育の学生である場合も、例外として雇用保険加入の対象となります。 では、雇用保険加入の前提となる条件を確認していきましょう。

3つの「雇用保険加入条件」

雇用保険の加入には、次の3点を満たしていることが必要です。

  1. 一週間の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 継続して31日以上雇用されることが見込まれること
  3. 学生ではないこと

この3については、先述の通り例外があります。 「学生だから、雇用保険加入なし」と判断するのではなく、夜間学部・定時制・通信課程いずれかに在籍している学生ではないかをしっかりと確認しましょう。

「週20時間以上」はどこまで厳密であるべき?

アルバイトの場合「就業開始時は週20時間以上という契約で仕事を始めたものの、途中で契約に変更があり20時間未満の勤務になった」というケースも出てくるでしょう。

そのような場合は、雇用契約において所定勤務時間が変更になった時点で雇用保険の対象からも外れます。

また「普段は10時間程度の勤務で、繁忙期は20時間以上働く」というケースでは、通常は週10時間程度で契約していますから、雇用保険の加入条件は満たさないこととなります。

雇用している間に契約更新や、勤務条件変更があった場合は、雇用保険についても見直すようにしましょう。

雇用保険加入での学生側のメリット

学生アルバイトであっても、雇用保険加入の条件を満たした上で、夜間学部・定時制・通信制などに籍を置く学生例外の条件を満たしている場合は、雇用保険に加入することができます。

では、雇用保険には、学生側にどのようなメリットがあるのでしょうか。

失業保険受給ができる

失業保険に加入していると、失業した際に失業保険を受給することが可能です。

教育訓練給付金が利用できる

教育訓練給付金とは、教育訓練講座を受講した場合、受講料や入学金といった必要経費の一部が支給される制度です。

教育訓練給付金には、スキルアップして再就職を目指したい失業者を支援する狙いがあります。

保育士や看護師、調理師、美容師といった専門性の高い資格取得を目指す講座も多くありますから、上手に活用しましょう。

その他給付金支給も受けられる

このほかにも、育児休業給付金や介護休業給付金、高年齢雇用継続給付金など、さまざまな給付金を受けることができます。

失業保険受給までの流れ

最後に、失業保険をもらうための手続きを確認しておきましょう。

1.申請に必要な書類の準備

申請に必要となる以下の書類を準備します。

・雇用保険被保険者離職票

・雇用保険被保険者証

・マイナンバーの番号が証明できるものいずれか1点

マイナンバーカード/通知カード/個人番号の記載がある住民票

・身元確認書類

マイナンバーカードがある場合は不要、ない場合は以下いずれかが必要

1.運転免許証、官公署発行の身分証明書・写真付き資格証明書等のうち1点

2.公的医療保険被保険者証、年金手帳などのうち、2点

・証明写真(縦3cm×横2.5cm)2枚

・本人の印鑑

・本人名義預金通帳またはキャッシュカード(指定できない金融機関もあるため、要確認)

2.ハローワークで手続きをする

現住居管轄のハローワークに行き、申請手続きを行います。

・求職申込

・離職票などの必要書類提出

・雇用保険説明会の日時決定

3.雇用保険説明会に参加

手続き時に指定された日時の雇用保険説明会に参加します。

ここで「失業認定日」が決定となります。

4.失業認定日にはハローワークへ行く

失業認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。

この書類を提出することで、失業の認定を受けることができます。

失業認定には月2回以上の求職活動が必須で、その実績を失業認定申告書に記載する必要があります。

5.失業手当受給

基本的に、失業手当は失業認定日から5営業後に指定口座へと振り込まれます。

以降、原則4週間に1回の認定日に失業認定を受けます。

雇用保険加入は「いざ」という時の助けに

雇用保険は、失業した時に備える公的保険です。

失業保険をどのくらい受給できるかに関しては、離職理由や勤続年数など、一人ひとり状況によって異なります。

雇う側も、雇われる側もお互いの生活の安定や従業員保護のために、雇用保険には適切に加入することが大切です。

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